ボーナスを考える

先週金曜に外出先から会社に帰って社員の日報を読んでいたら、一人の社員からこんな“気づき”が入っていました。
「ボーナスなんて本当は“貰っている”という事実さえあれば額なんて10円でもいいと思っている」
パソコンを動かす手が止まりました。。
皆が帰った事務所で一人、目がウルウル、感動でしばらく動けませんでした。
これを書いてくれた社員は、普段から日報で「大変だ」「忙しい」「仕事が無い」とネガティブなことでもそのまま素直に書く社員であり、おべっかなど上司のご機嫌取りなんて全く考えていない。 その為、純粋に嬉しいということが伝わって来る。 私もこんな健気な社員の為にも、もっと頑張らなければと励まされました。
日本全体で今年は約40%の従業員が冬のボーナスが「支給されない」或いは「未定」との調査結果があります。 このコロナ禍で、業績を落とした企業が大半であり、特に飲食・旅行業は大変な思いをされている人たちがたくさんいます。先日、近所のレストランに顔を出したら、シェフの奥さんが、「内は売上が苦しいだけだけど、知り合いの看護師さんは命の危険があるからもっと大変よ!」

貰って当たり前と思われているボーナス、給料の一部といえばそれまでですが、ボーナスを初めて支払ったのは三菱の岩崎弥太郎が起源と言われています。
その当時は、競合争いで経営が苦しかった三菱が、難局を乗り切った社員たちへのご褒美として、また業績不振で給料を減額してしまった社員たちへの恩返しとして、年末に月給の半分程度を支払ったと言われています。

ある会社の調査で、今年の冬の賞与の支給額に不満を持っている人は6割に達したとの回答がありました。 世間は今を国難と感じていないのか、或いは調査対象者の選定がそもそも間違っていたのか、働いている人たちの環境や待遇も様々なので、この結果がそのまま国民の意見とは言えませんが、それでもちょっと寂しい結果ですね。
当社の社員の大半は、この状況を理解してくれています。
「ありがとう御座います、大切に使います」という言葉が、
我々経営者の励みになります。

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