おにぎりころがし

妻の叔父(義父の兄)が先月亡くなり、三十五日の法要に参列してきました。
叔父の家は熱心な真言宗の檀家さんで、四十九日の法要は家族のみで、その前の三十五日は親族やご近所さん、親しい友人たちを家に招いて、皆でお経を読んで供養する風習があるようです。また、「高山参り」という風習があり、家の近くの高い山(真言宗のお寺)に登ってお参りし、山の上から崖下へ後ろ向きで丸いおにぎりを放り投げます。 丸いおにぎりは崖下へ転がっていき、故人が極楽へ向かう長い旅路でお腹を空かして襲いかかって来る餓鬼がそのおにぎりを食べている間に故人が通り抜けるという習わしです。 因みに、2歳の内の息子は、放り投げるのでは無く、口を開けておにぎりを食べようとしていました!(サムネのカラフルなおにぎりと違い、白飯だけの丸いおにぎりです)
高野山・真言宗は、空海(弘法大師)が開いた大乗仏教の宗派で、少し長めのお経が特徴なのかなと思います。 お経には、般若心経やご詠歌(和讃:打楽器の鉦に合わせて歌う)などがあり、わちゃわちゃ騒いでいた息子も、ご詠歌の時だけは聞き入ってくれていました。
淡路島という土地柄か、親類やご近所付き合いも大事にされており、葬儀が簡略化され、法要などが無くなりつつある都心に住む我々に取っては、すごく穏やかで人の関わりがとても大事なんだなっと感じるものがありました。 コロナ禍で、食事は各自お弁当を持ち帰る形になりましたが、本来であれば広い仏間で、皆が集まって故人の思い出をしのび、お酒を飲み交わすのでしょうが。。そういう付き合いが自粛されてしまうのは、正直寂しいなと感じます。
それでも、その家々に伝わる教え(信仰)は、しっかりと受け継ぎ、叔父さんが極楽浄土へ向かえるように心からお祈り申し上げます。

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