
仕事のスピードを上げる一番の方法
仕事をしていると、「急ぎでお願いします」という言葉を使うこともあれば、逆に言われることもあります。
最近も海外のお客様とのやり取りで、「できるだけ早くサンプルを送ってほしい」「図面や各種書類を急いで準備してほしい」といった依頼が続いています。一方で、私も社内や協力会社へ「急ぎでお願いします」とお願いする場面が少なくありません。
どちらの立場も経験しているからこそ思うのは、「急ぐこと」と「仕事が早く終わること」は必ずしも同じではないということです。
海外のお客様から急ぎの依頼をいただくと、すぐに対応を始めます。しかし実際には、図面の確認、材料仕様書や環境資料などの各種書類の準備、場合によっては金型の有無や製作期間の確認など、一つひとつ順番に進めなければならないことが数多くあります。どれか一つでも不足していると、そこで仕事は止まってしまいます。
一方で、自分が社内や協力会社へ依頼する立場になると、「急ぎでお願いします」と伝えるだけでは十分ではないことにも気付きます。図面は揃っているか、数量は確定しているか、納期や送り先は明確か。必要な情報が不足していると、相手は確認から始めなければならず、結果的に時間がかかってしまいます。
つまり、本当に仕事を早く進めるためには、「急いで」と伝えることよりも、「相手がすぐに動ける状態をつくること」の方が大切なのです。
もちろん、仕事にはどうしても急がなければならない場面があります。そのような時こそ、依頼する側は必要な情報を整理し、受ける側は優先順位を考えながら確実に進める。この両方が揃って初めて、本当の意味でスピードのある仕事になります。
仕事は一人では完結しません。社内の仲間、お客様、協力会社、海外工場など、多くの人がバトンをつないで一つの仕事を完成させています。
だからこそ、私はこれからも「急ぎでお願いします」とお願いするときは、相手が仕事を進めやすい準備ができているかを意識したいと思います。そして、「急ぎでお願いします」と依頼されたときは、相手が何を求めているのかを整理し、一つずつ確実に対応していきたいと思います。
「急ぎでお願いします」という言葉は、仕事では避けて通れません。しかし、その一言だけに頼るのではなく、お互いが相手の立場を考え、仕事を進めやすい環境をつくることが、結果として一番早く、一番良い仕事につながるのではないでしょうか。
今やるすぐやる、早くやる。その前に週となる段取りをですね。


