
切磋琢磨
少し前の話ですが、タイ工場の一行が日本を訪れました。
彼らは日本へ来る際、必ず工場見学を織り交ぜて訪問します。工場見学では、自分たちとは違う工場を熱心に観察し、質問をしながら興味津々で見て回ります。そして、その良い部分を持ち帰り、自分たちの改善へとつなげていくのです。
当社でも、これまで他社の良いところをさまざま取り入れて現在があります。他社の良いところをそのまま真似るのではなく、自社に合った形に変えて取り入れるところに効果があります。そのまま真似ても、相手には長年培ってきた歴史や経験があるため、一筋縄ではいきません。だからこそ、自社に合わせて取り入れることが大切なのです。
良いところを取り入れるという考え方は、会社だけでなく個人にも当てはまります。周りには、仕事の進め方が上手な人、段取りが早い人、気配りができる人、説明が分かりやすい人など、学ぶべき点を持った人がたくさんいます。
「自分は自分のやり方で」と思いがちですが、よく観察してみると参考になるヒントがたくさんあることに気付きます。
例えば、
・話のまとめ方が上手い人の言い回しを真似てみる
・作業が早い人の手順を取り入れてみる
・信頼される人の“ひと言の気遣い”を学ぶ
こうした小さな“真似る”を積み重ねるだけで、仕事の質は確実に変わっていきます。
「真似る」というとネガティブなイメージがありますが、実は成長のためのルートの一つなのではないでしょうか。自分に足りないところを補い、伸ばしたいスキルを磨くために、周りの良い部分を取り入れるのはとても合理的な方法です。
前述のように、すべてをそのまま真似するのではなく、「自分流」にアレンジしていくことで、自然と自分の強みに変わっていくでしょう。そして、素直な心で周りの良いところに目を向け、柔軟に取り入れていけると良いですね。


