地震は待ってくれない――工場の地震対策、更新していますか?

「工場は安全第一」。この言葉はよく耳にしますが、その“安全”は、常に変化するリスクに対応できてこそ守られるものです。

7月6日、鹿児島県十島村で震度5強の地震が2回観測されました。気象庁は今後も震度6弱程度の地震に警戒するよう呼びかけています。特に揺れの強かった地域では、建物の倒壊や土砂災害への懸念も高まっており、加えて降雨による二次災害にも注意が必要です。

このようなニュースに触れるたびに、私たちの工場でも地震への備えを改めて見直さなければならないと感じます。

「過去の大地震」風化させてはいけない。

地震は予測が難しく、いつ、どこで起きるかは誰にもわかりません。特に日本は地震大国。過去のデータに安心せず、“もしも”に備える姿勢が重要です。

工場では重機や高所に設置された設備が多く、地震による被害が出ると、人的被害はもちろん、生産の停止や取引先への影響まで及びかねません。

地震対策は「一度やって終わり」ではない

例えば以下のような対策は、定期的な見直しが必要です。

機械・棚・資材の転倒防止措置は万全か?

避難経路や非常口は障害物なく確保されているか?

緊急連絡網や安否確認の手段は整っているか?

作業者の安全教育は定期的に行われているか?

また、設備や建物が古くなってきている場合は、耐震性のチェックも欠かせません。

リスク管理とリスクヘッジをセットで考える

大切なのは、「起こらないことを祈る」のではなく、「起きることを前提として備える」ことです。

リスク管理(危険の把握と対策)とリスクヘッジ(被害を最小限に抑える備え)の両面をしっかりと行うことで、万が一の時も慌てずに行動することができます。

自然災害は止められませんが、被害を最小限に抑える準備はできます。

安全な職場は、一人ひとりの意識と行動によってつくられていきます。地震対策を「今できること」として捉え、定期的に更新していきましょう。過去の経験に頼るのではなく、これから起こるかもしれない未来に備えることが、私たちの責任です。

関連記事一覧