
危険余地について考える
先日、那須工場において、作業中に高温の樹脂が目に入る事故が発生しました。
幸いにも視力低下などの後遺症はなく、軽傷で済みましたが、本人はもちろん、周囲にとっても非常に肝を冷やす出来事でした。
改めて感じたのは、
工場内にはまだまだ「危険になり得る余地」が存在しているという事実です。
私たちは日々、決められた手順の中で作業を行い、慣れた工程を繰り返しています。
しかし、その「慣れ」こそが、危険を見えにくくしてしまうことがあります。
・この作業はいつも問題なくできている
・今まで事故は起きていない
・少しの油断なら大丈夫だろう
こうした意識が積み重なった先に、思わぬ事故が潜んでいます。
今回の事例も、「特別な異常作業」ではなく、日常作業の延長線上で起きました。
だからこそ、他人事ではなく、誰にでも起こり得る事故だったと言えます。
重要なのは、事故が起きた後に「運が悪かった」で終わらせないことです。
事故の背景には必ず、
- 設備
- 作業姿勢
- 保護具の使い方
- 環境
といった、改善できる余地=危険余地が存在します。
危険余地を見つけることは、誰かを責めることではありません。
むしろ、仲間を守り、自分を守る行動です。
「もし自分だったらどうなっていたか」
「同じ状況が別の場所でも起きていないか」
こうした視点を持ち、日常の中で小さな違和感を見逃さないことが、安全な職場づくりにつながります。
今回の事故を教訓として終わらせず、
危険余地に気づき、声に出し、改善につなげる文化を、これからも大切にしていきたいと思います。
安全は「慣れ」ではなく、「意識の積み重ね」で守るもの。
改めて、そう感じた出来事でした。


