未来づくり

最近の報道によると、宇宙ごみ(スペースデブリ)の量がここ数年で2倍に増加したとのことです。使われなくなった人工衛星やロケットの破片が軌道上を漂い、他の衛星や宇宙船に衝突するリスクも高まっています。宇宙でも「ごみ問題」が深刻化しているのです。

このニュースは、私たちの日常にも通じる大きなテーマを投げかけています。**「出したごみをどう処理するか」ではなく、「そもそも出さない仕組みをどう作るか」**という視点です。

地上でも進む「ごみを出さない」挑戦

実は、宇宙だけでなく地上でも同じような問題意識から、ごみを減らす取り組みがさまざまな業界で進んでいます。いくつかの企業の事例をご紹介します。

【事例1】ユニクロ:服から服をつくる

アパレル大手のユニクロは、回収した衣類をリサイクルして再び服に生まれ変わらせる「リサイクルポリエステル」の活用を広げています。「RE.UNIQLO」プロジェクトでは、顧客が不要になった衣類を店舗で回収し、再資源化しています。これは、「廃棄を前提としない製造」の好例です。

【事例2】トヨタ:工場から出る廃棄物ゼロへ

自動車業界では、トヨタが「ゼロエミッション工場」を目指しています。部品の梱包材をリユース可能なコンテナに変更したり、部品ごとの供給方法を見直したりして、不要なごみの発生をそもそも抑える仕組みを整えています。

【事例3】スターバックス:再利用カップとサブスク

スターバックスは近年、リユース可能なカップの使用を促進するために「リユースカップのサブスク」サービスを一部店舗で試験導入しています。顧客はカップを何度でも使い、洗って返却することで、使い捨て容器によるごみの削減を実現します。

ごみを減らすことは「コスト削減」でもある

これらの取り組みには共通点があります。それは、「ごみを出さないこと」が環境への貢献だけでなく、企業の効率やコスト削減にもつながっているということです。ムダを減らし、持続可能な仕組みを作ることは、あらゆる業界において競争力の源にもなります。

私たちにもできる第一歩

宇宙でのごみ問題は、遠い話のようでいて実は私たちの日常と地続きです。たとえば職場でも、梱包資材の見直し、使い捨てから再利用へ、紙からデジタルへと、小さな改善が積み重なれば、大きな変化になります。

ごみは、出してから考えるのではなく、「出さない設計」をする時代へと進んでいます。

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