考え方

社是、社訓、考え方

改善意識は人間の本能

当社の8月は決算月であり、来週末には決算棚卸しが行われます。私が業務に携わっていた25年前、棚卸しといえば年に1度の大イベントで、製造ラインを止め、全員参加でテントの倉庫にこもり、汗だくになって在庫の数を数えていたものです。1日目は在庫数のカウントとデータ入力、2日目はエラーチェックと間違い探しで、2日間を要していました。当時のシステムはオフコンで、入力後の集計処理にも時間がかかっていました。当社製品群は数千点に及び、当時はデータと実棚数が合わず、データ修正をしなければならないこともありました。データ入力ともなると、一定数の間違いはカウント者でも入力者でも発生してしまいます。

それが今では、1日あれば終わるほどになりました。もちろん25年も経てばPCの性能も上がり、処理速度も速くなるのですが、それだけではありません。毎年、棚卸し後に反省会を実施し、管理面での問題点を改善し続けてきた結果なのです。大きなところでは、実棚数を合わせること(入力の時間を減らす)、不要な製品在庫を減らすこと(数える時間を減らす)といった改善を重ねてきました。そして今では、かなりスリム化された完成形に近い棚卸しになっているかと思いますが、それでも改善点は出てくるものです。

そもそも人間の本能の一部には、「よりよくなりたい」「快適にしたい」「苦痛を減らしたい」という欲求があります。これが改善意識の根っこにあります。そして「エネルギー(やる気)」と「問題意識」が加わることで、改善は進んでいくのです。

普段の仕事や生活の中でも、多くの人が「ここをこうしたいな」「こうできればいいな」と、改善意識を常に持っていると思います。そこに優先順位や状況、タイミング、コストなど、さまざまな壁はありますが、「エネルギー(やる気)」さえあれば前に進んでいけるのです。

今年は新たな工場や事業部が加わり棚卸しの範囲も広がります。棚卸しへの参加とご協力お願いします。

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