
ユーザー目線
IT化、AI化が進む昨今、飲食業界でも人手不足の解消や人件費などのコスト削減を目的として、タブレットやロボット、モバイルオーダーなどの導入が進んでいることはご存知かと思います。その中でも、マクドナルドの注文システムは特に秀でているように感じます。
店舗では、注文用のレジのほかに、タッチパネルによるセルフオーダーシステムが並んでいます。このセルフオーダーは世界各国のマクドナルドで導入されており、顧客が従業員を介さずに注文できるため、並ぶ時間や待ち時間を短縮できます。また、セルフオーダーでは店員さんには言いにくかったカスタマイズも気兼ねなく行えるため、顧客単価の増加にもつながっているようです。タッチパネルでの操作により多言語表示も可能で、国際化社会にも対応しています。
スマホからのモバイルオーダーでは、席からの注文で料理を持ってきてもらう、取りに行く、駐車場に届けてもらう、ドライブスルーで受け取るなど、さまざまな受け取り方法があります。小さなお子様をお持ちのご家庭であれば、並ばずに済みますし、マクドナルドであればお子様も食べられるため、時間がないときなどには「とりあえずマックで」とアプリを開けば最寄りの店舗が表示され、利用頻度は自然と高くなるのではないでしょうか。
次に、ドライブスルーといえば、必ずカメラとマイクが設置されています。ということは、カメラによる顔認識とマイクで拾った音声をAIが自動で認識し、注文を受けているようです。これは想像の域ですが、他店舗のドライブスルーに行っても、顔認識によって過去の注文履歴から内容を推測し、より正確な注文につなげているのかもしれません。
このように、UI(User Interface)=顧客の入口、UX(User Experience)=顧客の体験、を最大限に引き出し、売り上げへとつなげています。
- UI(User Interface)=顧客の入口:レジ、タッチパネル、モバイル、ドライブスルー
- UX(User Experience)=顧客の体験:シンプル、カスタマイズ、楽しい操作感、多言語対応
UI/UXはもともと、人とコンピューターをつなぎ操作して得られる体験から生まれた言葉ですが、近年ではさまざまな分野で使われ、顧客と商品をつなぎ、売り上げに結びつける考え方として広まっています。私たち製造業の製品販売においても、応用が可能かもしれません。身の回りにも多くのUIやUXが存在していますので、ぜひ探してみてください