重い槍(おもいやり)

長渕剛さんが、ドラマ「とんぼ」で、街の小さな食堂で大きな声で騒いでる学生たちに、「お前らインディアンが持ってる軽い槍の反対は何だ!」と恐い顔で語りかけていました。 「軽い槍」の反対は「重い槍(おもいやり)」です。
お店や公共の場で騒いでいる若者たちを見ますが、楽しければ何をしても良いという訳ではありません。 私も学生の頃は、色々ヤンチャをして周囲に迷惑を掛けていましたが、大人になって思うと当時が恥ずかしく感じます。 ただ、大人になっても、周囲にお構い無しに我を通す人がいます。 先日も、外国人の女性が東京駅のホームに上がるエスカレーターで、大きなスーツケースで通せんぼうをしていました。 そこに来た50代過ぎのサラリーマン風の人が、その外国人に対して怒ってスーツケースをどかすように声を荒げていました。相当大きなスーツケースだったので、後ろに立っていた私も手伝ってどかしてあげましたが、そもそもエスカレーターの片側を空けるというマナー、日本だけですよね。 実際は日本もエスカレーターでの歩行は禁止というルールがあるので、間違っているのはこのサラリーマンの方ですよね。 思いやり、相手の立場に立てばと言いますが、恐らくこのサラリーマンが反対に大きな荷物を持ってエスカレーターを塞いでいて、後ろからどかしてくださいと誰かから言われたら、「大きな荷物があるのが見えないのか!」と反対に怒り出すでしょう。 まあ、そういう人は皆自分勝手なだけなのでしょう。 そこに、もし「とんぼ」の長渕さんのような強面の人が注意をしたら、このサラリーマンも言い返せずにシュンとなるでしょう。
普段の生活もそうですが、社会、職場においても、礼儀正しく、我儘(わがまま)を出さずに、腰を低くしなければ出世はできません。 銀行や大企業など、上の役職の人に会うほど、我々に対して腰が低く、親切な人が多いと聞きます。 特に、社長などトップの人が一番社内でも腰が低いという企業も多いです。 ビジネスにおいては、親切な人と不親切な人とどちらが成功するかと聞かれると、誰でも親切な人と答えるでしょう。 それらをわきまえている人が、どこの企業でも出世するのでしょう。
仕事ができる人、能力の高い人、そんな人はどこの会社にもたくさんいます。 その出世争いに勝てる人は、成果を上げる、プラス、人としての魅力がある人で無ければ、役員までは上がれないということです。 たまに立場が人を変えると言いますが、それでも根本的に性格が良いという素質が無ければ、やはり難しいでしょうね。 ではどうやってその心や魅力を磨けるのかと言うと、やはり道徳や哲学、宗教学など、人の在り方をもっと学ぶべきです。 子供に武道を習わせると礼儀正しくなると知り合いが教えてくれましたが、何を学ぶにも素直に聞き入れる心が大切です。
先日、20年ぶりに4tトラックを運転する機会がありました。 20代の頃はよく工場間の移動で何も考えずに乗っていまいしたが、歳を取って乗ってみると、車幅や長さなど、後ろが見えないや、左から追い抜かれるとビックリしますし、運転していて恐いなっと感じます。 慣れもあるかもしれませんが、トラックドライバーさんの気持ちも分かり、普段からトラックにもっと譲ってあげようと、優しさも芽生えます。 そういった気持ちが、思いやりに変わってくるのでしょうか。

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