新しい価値

最近、子どもたちのサッカーユニフォームに企業のロゴや名前が入っているのをよく見かけるようになりました。ただの広告と思われがちですが、そこには大きな意味が込められています。

このような企業とスポーツの関係は、単なる宣伝を超えて、社会の未来を育てる活動へと進化しています。そして、その中心にあるのがCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)という考え方です。

CSVとは?(Creating Shared Value)

CSVとは、企業が利益を上げながら、同時に社会課題の解決にも貢献するという考え方です。
従来のCSR(企業の社会的責任)のような「寄付」や「奉仕」ではなく、企業活動そのものが社会貢献につながるという仕組みです。

地域のスポーツチームを支援することで、企業のブランド価値が高まり、

子どもたちには安心してスポーツを楽しめる環境が提供される

これは「企業の利益」と「社会の利益」の両方を同時に生み出すCSVの具体例です。

中小企業こそがCSVの主役に

これまでCSVは、大企業の戦略として語られることが多くありました。しかし私は、これからの時代、CSVの担い手は中小企業であるべきだと考えています。

  1. 地域とのつながりが強い

中小企業は、地域社会と密接に結びついています。
地元の学校やクラブチームを支援することは、「お互いさま」の文化の中で自然に行われています。これはまさにCSVの実践そのものです。

  1. 小回りが利く

大きな組織では難しい「すぐに動く」「現場とつながる」ことが、中小企業にはできます。
だからこそ、地域の課題や子どもたちのニーズにすばやく応えられます。

  1. “ものづくり”の精神と合っている

中小企業の多くは、誰かのために何かをつくるというものづくりの精神を持っています。
この「人の役に立ちたい」という思いこそが、CSVの原点です。

これからの展望

地域社会とともに成長していく「共創型の経営」が、中小企業に求められていきます。

地域スポーツを支える活動は、「信頼される会社」「共感されるブランド」につながります。

“利益を出しながら、人の役に立つ”。この持続可能なモデルが、中小企業の新しい強みになります。

最後に

共通価値の創造(CSV)とは、「誰かの役に立つことで、自分たちの価値も高まる」という考え方です。

社会とともに歩む経営。未来を担う子どもたちの環境を、少しでも良くしていく取り組み。
それは、決して大企業だけのものではありません。

中小企業だからこそできるCSVがある。
中小企業だからこそ、社会の未来を支える存在になれる。

これからも、自分たちの仕事が「人のためになること」にどうつながっているのか。
その問いを大切にしながら、新しい価値づくりに挑んでいきたいと思います。

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